ミュージカルを知らない人でも一度は耳にしたことがある曲『オーバー・ザ・レインボウ(Somewhere Over The Rainbow)』(作曲:Harold Arlen、作詞:E.Y. Harburg)。1939年に公開された映画『オズの魔法使』の劇中歌としてたちまち有名になり、楽曲の素晴らしさと相まって主役を演じた当時17才のジュディ―・ガーランドの可憐さにアメリカ中が恋をした。その不朽の名作『オズの魔法使い(The Wizard of Oz)』が、シカゴの建築名所としても知られる「シカゴ劇場」で5月20日まで上演されている。
物語の舞台はアメリカ中西部のカンザス州。(といっても知らない人がほとんどなので、右の地図を参照。(Wikkipediaより)アメリカのど真ん中にあり、大平原が広がる農業や牧畜が盛んな、典型的なアメリカの田舎町)ここで「虹のかなたにもっと素敵な場所がある」と夢見て暮らす少女ドロシーが、ある日竜巻で家ごと不思議の世界に運ばれてしまう。
魔法の国、オズで出会った奇妙な仲間たちと旅を共にすることになったドロシー。でもこの4人には何かがひとつずつ欠けていた― ”知恵”がない案山子、”心”を持たないブリキ男、”勇気”が持てないライオン。そしてドロシー自身は、”カンザスの家に帰る方法”を知らない。
欠けていた(と思っていた)ものを取り戻しながら、4人はついにオズの魔法使いに会い、ドロシーは懐かしいカンザスの家に戻れる方法を教えてもらう。
”There is no place like home. (やっぱりおうちが一番。)”
そう。家に戻る方法は、戻りたいと願う、その気持ちそれだけだった。
見どころは、1939年の映画でも話題になった「色使い」。前半と後半のカンザスの場面ではモノトーンを背景に物語が進み、魔法の国では一転して周り一面がカラフルな世界になる、そのコントラストが視覚を楽しませてくれるほか、ミュージカルならではのダンス振付や、キャラクターの個性的な歌声も魅力。言葉が分からなくても、十分に楽しめるはず。
アメリカではちょうど夏休みが始まり、この日も親子連れの姿が目立った。アメリカで必ず見ておきたい名作が、シカゴの名所で見られる、このまたとないチャンスを是非お逃しなく!
■主なキャスト
ドロシー:Kalie Kaimann
ブリキ男:Christopher Russell
ライオン:Victor Legarreta
犬のトト:Murphy (2016年2月5日にアリゾナで救助された犬)
■『オズの魔法使』についての詳細:http://wizardofoztour.com/
チケットのお求めなどお問い合わせ:
電話)1.800.745.3000
Online: thechicagotheatre.com または ticketmaster.com.
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歴史的建造物「シカゴ劇場」
『オズの魔法使』が上演されている「シカゴ劇場(The Chicago Theatre)」は、国の史跡にも指定されている歴史的建造物。オフホワイトのテラコッタで覆われたネオ・バロック式の外観、フランス第2帝政時代バロック式、ベルサイユ宮殿の様式を真似た荘厳なロビーなどの内装は、息をのむ美しさだ。
当劇場は、1921年に映画館としてオープン、その後取り壊しの危機を乗り越え、1986年に大改装を終えてフランクシナトラの公演で再びよみがえった。これまでに、ベニー・グッドマン、ニール・ヤング、アレサ・フランクリンなど、数えきれないほどの一流スターたちがここでコンサートを開いた。公演のない日には、毎日正午から1時間の館内ツアーが行われているので、これもおすすめだ。
■シカゴ劇場
175 N State St, Chicago, IL 60601
www.ChicagoTheatre.com
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